猫が痩せてしまう原因は、病気だけではなく、日々の生活習慣に潜んでいることも少なくありません。
食欲があるにも関わらず体重が減ってしまう、あるいは元気がないまま痩せてしまうなど、その背景にある理由は様々です。
愛猫の急激な体重減少は、飼い主にとっては大きな心配事となるでしょう。
そこで今回は、猫が痩せてしまう原因として考えられる病気や、生活習慣の見直しについて詳しく解説していきます。
愛猫の健康を守るために、この記事が参考になれば幸いです。
□猫が痩せる病気とは
猫の体重減少は、単なる体調の変化ではなく、様々な病気のサインである可能性があります。
特に、食欲があるのに痩せてしまう場合と、食欲もなく元気もない状態で痩せてしまう場合では、疑われる病気も異なってきます。
早期発見・早期治療のためには、愛猫の体重変化には日頃から注意を払い、異変を感じたらすぐに動物病院を受診することが極めて重要です。
放置してしまうと、病状が進行し、取り返しのつかない事態に陥る可能性も否定できません。
*甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、全身の代謝が異常に活発になる病気です。
特に中〜高齢の猫に多く見られる傾向があります。
この病気の特徴的な症状は、食欲が旺盛であるにも関わらず、体重が減少していくことです。
まるで、食べても食べても痩せてしまうかのような状態です。
その他にも、落ち着きがなくなる、攻撃性が高まる、多飲多尿(水をたくさん飲み、尿も多くなる)、嘔吐、下痢、息遣いが荒くなるなどの症状が現れることがあります。
代謝が亢進することで、心臓をはじめ全身に大きな負担がかかるため、早期の診断と治療が重要となります。
放置しておくと、心不全などの重篤な合併症を引き起こすリスクも高まります。
*糖尿病
糖尿病は、インスリンの不足や、体がインスリンをうまく利用できない状態(インスリン抵抗性)によって引き起こされる代謝疾患です。
インスリンは、血液中の糖分を細胞に取り込むのを助けるホルモンですが、これがうまく機能しないと、エネルギー源となる糖分が細胞に取り込めず、血液中に糖分が過剰に溜まってしまい、血糖値が上昇します。
これにより、様々な代謝異常が生じます。
初期段階では、多飲多尿や食欲の増加が見られることがありますが、病状が進行すると、体がエネルギー不足に陥り、食欲が低下し、体重が減少していきます。
さらに、下痢や嘔吐、ふらつき、毛艶の悪化といった症状が現れることもあります。
肥満気味の猫は糖尿病のリスクが高まることが知られているため、適正体重の維持が大切です。
日頃から、愛猫の体重管理に気を配り、適度な運動を促すことが予防につながります。
*慢性腎臓病
猫の死因の上位を占める病気の一つが慢性腎臓病です。
特に15歳以上の高齢猫に多く見られます。
腎臓は、体内の老廃物をろ過して尿として排出する重要な役割を担っていますが、慢性腎臓病では、この腎臓の機能が徐々に低下していきます。
病気の初期段階では、多飲多尿以外の目立った症状は現れないことがほとんどです。
そのため、飼い主が病気に気づきにくいという特徴があります。
しかし、腎臓の機能が約8割失われた頃から、体重減少、嘔吐、口臭といった顕著な症状が見られるようになります。
これは、体内の老廃物が十分に排出されず、体に蓄積してしまうためです。
最終的には、腎不全が進行し、命に関わる状態に至ってしまいます。
定期的な健康診断で早期に発見することが、愛猫の健康寿命を延ばすために非常に重要です。
特に高齢猫の場合は、年に一度の健康診断だけでなく、半年に一度の健康診断を検討することも推奨されます。
□生活習慣が原因で猫は痩せた
病気以外にも、日々の生活習慣が原因で猫が痩せてしまうことがあります。
愛猫の体重減少が気になる場合は、まず生活習慣を見直してみましょう。
病気ではないかと過度に心配する前に、生活環境に目を向けることも大切です。
*食事内容の見直し
猫が痩せてしまう原因の一つとして、食事内容が合っていないことが考えられます。
フードの量が不足していると、体に必要な栄養素やカロリーを十分に摂取できず、結果として体重が減ってしまいます。
特に成長期の猫や、活動量の多い猫、あるいは病気からの回復期にある猫などは、より多くのカロリーと栄養を必要とします。
また、猫の成長段階や体調に合わせて、フードの種類や質を見直すことも重要です。
消化吸収能力は年齢とともに変化するため、常に最適なフードを選んであげることが大切です。
例えば、高齢猫になれば消化しやすいように配慮されたフードを選ぶ必要があります。
食欲が落ちている様子が見られる場合は、猫が食べやすいようにフードを人肌程度に温めたり、香りの良いウェットフードを試したりするのも良いでしょう。
温めることで香りが立ち、食欲を刺激する効果が期待できます。
食器の高さや形状を工夫することも、食欲を刺激するきっかけになることがあります。
例えば、顎が短い猫には浅めの食器が、逆に口を大きく開けて食べる猫には少し深めの食器が適している場合があります。
*運動量とストレス
猫の活動量が増え、消費エネルギーが増加しているにも関わらず、摂取カロリーが追いついていない場合も、体重減少につながります。
活発な猫ほど筋肉量が多く、基礎代謝量も高いため、より多くのカロリーを必要とします。
日々の運動量に見合った十分なカロリー摂取ができているか確認しましょう。
おもちゃで遊ぶ時間を増やしたり、キャットタワーを設置したりして、適度な運動を促すことも大切です。
また、ストレスも猫の体重に影響を与える要因です。
環境の変化(引っ越し、新しいペットの加入、家族構成の変化など)や、慢性的で不快なストレスは、消費カロリーを増加させたり、胃腸の働きに影響を与え、食欲不振や嘔吐、下痢を引き起こしたりすることがあります。
ストレスの原因を取り除き、安心できる環境を整えることも、体重維持のために大切です。
猫が安心して過ごせる隠れ場所を用意したり、静かで落ち着ける空間を作ったりすることで、ストレスを軽減させることができます。
□まとめ
猫の急激な体重減少は、見過ごせないサインであることが多く、病気や生活習慣の乱れが原因となっている可能性があります。
1週間で体重の5%以上、または1ヶ月で4〜5%以上の減少が見られる場合や、食欲不振、元気がない、多飲多尿などの症状を伴う場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。
これらの症状は、病気が進行しているサインである可能性が高いです。
定期的な体重測定と健康診断は、愛猫の健康状態を把握し、早期に異変に気づくために非常に有効です。
日頃から愛猫の体重を記録しておくと、わずかな変化にも気づきやすくなります。
愛猫の健康を第一に考え、日々の変化に注意を払ってあげてください。