猫が爪噛む理由とそのケア!異常サイン見逃さないで

猫が爪を噛む行動は、飼い主さんにとって気になるものかもしれません。
きれい好きな猫がお手入れの一環として行っている場合もありますが、その行動の背景には様々な理由が隠されていることがあります。
そこで今回は、猫が爪を噛む理由として考えられることや、どのような場合に注意が必要なのかを解説します。
また、爪のケア方法や、動物病院を受診すべきタイミングについても触れていきます。
愛猫の健康と快適な生活のために、爪に関する知識を深めていきましょう。

◻︎猫が爪を噛む理由

猫が爪を噛む行動には、いくつかの理由が考えられます。
単なるグルーミングの一環である場合もあれば、何らかの不調やストレスのサインである可能性もあります。

*グルーミングによるもの

猫は非常にきれい好きな動物であり、日常的にグルーミングを行っています。
その一環として、爪を噛んだり引っ張ったりして、古い爪の層をはがしたり、指の間の汚れを取り除いたりすることがあります。
これは、猫が自身の爪を清潔に保ち、健康な状態に維持するための自然な行動です。
この場合、一時的な行動であり、爪がボロボロになるほど長時間行うことは少ないでしょう。
猫の爪は、外側の古い角質層が剥がれ落ち、内側の新しい爪が出てくるという構造になっています。
この古い層を剥がすために、噛むという行動をとることがあります。
また、指の間についた被毛や皮膚の老廃物、あるいは獲物を捕らえた際の残骸などを取り除く目的でも、爪を噛むことがあります。
これは、猫が自身の衛生状態を保つための本能的な行動の一部と言えます。

*爪の異常が原因

爪が伸びすぎたり、割れたり、何かに引っかかってしまったりすると、猫は違和感を覚えてそれを解消しようと爪を噛むことがあります。
特に、爪が肉球に刺さるほど伸びてしまうと、歩きにくくなるだけでなく、痛みや不快感の原因となります。
伸びすぎた爪は、猫の歩行を妨げるだけでなく、家具などを傷つける原因にもなります。
定期的な爪切りは、このような問題を未然に防ぐために重要です。
爪が異常な状態にある場合、猫はその爪を気にして、過剰に舐めたり噛んだりすることがあります。
例えば、爪が二枚爪になってしまったり、欠けてしまったりすると、その部分の角が鋭利になり、猫自身が不快感や痛みを覚えることがあります。
また、爪の根元に汚れが溜まり、炎症を起こしている場合なども、猫は気にしてその部分を噛むことがあります。

*ストレスや退屈

環境の変化、飼い主とのコミュニケーション不足、運動不足など、猫は様々な要因でストレスを感じたり、退屈したりすることがあります。
新しい家族が増えた、引っ越しをした、生活リズムが変わった、といった変化は猫にとって大きなストレスとなることがあります。
また、一日の大半を家で過ごす猫にとって、十分な遊びや刺激がないと退屈を感じやすくなります。
そのストレスや退屈を発散するために、爪を噛む行動に出ることがあります。
この場合、爪を噛む頻度が増えたり、爪がボロボロになるまで噛み続けたりする傾向が見られます。
猫は、ストレスや不安を感じた際に、毛づくろいや爪とぎといった常同行動を過剰に行うことがあります。
これは、自分自身を落ち着かせようとする行動の一種です。
特に、飼い主との関わりが減ったり、遊びの時間が少なくなったりすると、退屈や孤独感から爪を噛む行動が増えることがあります。

*痛みやかゆみ

爪やその根元に痛みやかゆみがある場合も、猫はそれを解消しようと爪を噛んだり舐めたりすることがあります。
例えば、爪の根元での感染症や、爪が欠けてしまっている状態などが考えられます。
外傷や、爪水虫のような皮膚病などが原因で、猫が患部に痛みや痒みを感じている可能性があります。
このような場合は、猫が患部を気にして頻繁に噛むようになるため、注意が必要です。
爪の病気としては、爪真菌症(爪水虫)や細菌感染、あるいは事故による外傷などが考えられます。
これらの疾患によって爪やその周辺組織に炎症が起きると、猫は強い痛みや痒みを感じ、その部分を舐めたり噛んだりして症状を緩和しようとします。

◻︎猫爪の対処法

猫が爪を噛む行動が見られた場合、その原因に応じた適切な対処が必要です。

*爪のケア方法

猫の爪は自然に伸び続けるため、定期的なケアが欠かせません。
爪が伸びすぎると、歩きにくくなるだけでなく、家具やカーペットに引っかかって傷つける原因にもなります。
また、猫自身が爪を気にして噛みすぎてしまうこともあります。

爪を切る際は、猫がリラックスしている時に行いましょう。
抱っこを嫌がらない、おやつを食べている時などが狙い目です。
無理強いすると、爪切り自体がストレスになってしまう可能性があります。
爪の先端の尖った部分を、血管や神経(クイック)を切らないように注意しながら、ニッパータイプの爪切りで少しずつカットします。
クイックは爪の根元に近いピンク色の部分で、ここに触れると出血や痛みが生じます。
もし爪切りに不安がある場合は、動物病院やトリミングサロンでお願いするのも良いでしょう。
プロに任せることで、猫への負担を最小限に抑えられます。
爪切りは、一般的に月に1〜2回程度が目安ですが、猫の活動量や爪の伸び具合によって異なります。
爪とぎをしっかり行っている猫は、爪の伸びが緩やかな場合もあります。

*受診のタイミング

猫が爪を噛む行動が、単なるグルーミングの範囲を超えている場合や、以下のような症状が見られる場合は、動物病院を受診することが推奨されます。

  • 爪から出血している: 爪が割れたり、剥がれたりして出血している場合は、痛みを伴っている可能性が高いです。
    止血を試みつつ、速やかに獣医師の診察を受けましょう。
    出血が止まらない場合や、大量に出血している場合は、緊急性が高まります。
  • 爪の周りが腫れている、赤くなっている: 爪の根元や指の間が腫れていたり赤くなっていたりする場合は、感染症や炎症の可能性があります。
    痒みや痛みから猫が患部を舐めたり噛んだりすることで、症状が悪化することもあります。
  • 爪の周りから膿が出ている: 膿が出ている場合は、細菌感染が進行しているサインです。
    早急な治療が必要となります。
  • 肢を上げて歩かない: 痛みや腫れのために、猫が患部の肢を床につけずに歩く様子が見られる場合は、重度の問題が隠れている可能性があります。

これらの症状が見られる場合は、自己判断せずに獣医師に相談し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
獣医師は、爪の状態を詳細に検査し、必要に応じてレントゲン検査や細菌検査などを行い、原因を特定します。

□まとめ

猫が爪を噛む行動は、グルーミングの一環であることもありますが、爪の異常、ストレス、退屈、痛みやかゆみなど、様々な原因が考えられます。
爪が伸びすぎている場合は定期的な爪切りを行い、清潔に保つことが大切です。
もし、出血、腫れ、膿などの症状が見られる場合は、速やかに動物病院を受診しましょう。
愛猫の健康状態を日頃からよく観察し、異変があれば適切な対応をとることが、健やかな生活を支える上で重要です。
猫の爪は、その健康状態を知る手がかりにもなり得ます。
日頃から爪の状態をチェックする習慣をつけることで、早期発見、早期治療に繋げることができます。